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温度管理なし!電子レンジで出来るチョコレートのテンパリング。

公開日: 2024年10月7日月曜日 ちょっとしたコツ

★電子レンジを使ってテンパリングしよう★

tenpering

テンパリングとは、チョコを温度管理しながら溶かして好きな形にしたり、コーティングしたいときに行う作業である。

チョコは溶かすとドロドロになるが、そのまま固まるのを待っても元のツヤは失われ、ザラザラしたり、白い膜が張ったようになったりと、一気にまずそうに変化する。
もちろん食べても問題はないし自分がおやつ程度に食べるのであればそれでもいい。しかし、わざわざテンパリングしようという時は誰かにプレゼントする時がほとんどである。もらう相手が不快感を感じない程度には仕上げたいものだ。


テンパリングは電子レンジでもできる。理由は後述することにして先に方法を紹介したい。

    手順

動画で確認する


チョコレートメーカー「カレボー」ではユーチューブに電子レンジテンパリング(Tempering in the microwave)をアップしている。

英語がわからなくてもやっていることは大体理解できるので大丈夫だ。



※2016/01/22追記:カレボーの動画はアカウント停止になっており、閲覧できないので動画を削除した。※

※2018/02/11追記:カレボーの動画はいつのまにか新たに作り直されていて、さらに日本語字幕がついて見やすくなっていたので、
ここにリンクを紹介することにした。

テンパリング - 電子レンジでのテンパリング | Callebaut

相変わらずチョコレートの使用量は業務用だけに多い。※


道具をそろえる


カレボーで紹介されているのはパティシエ仕様なのか、家庭で作るには量がとても多く感じる。
電子レンジで溶かして作業できるなら、板チョコ1枚程度でも可能だ。

  • 板チョコ1枚
  • 電子レンジ可能な小さなプラカップ(お米の計量カップ位の大きさ)
  • コーティングしたいもの(クッキーなど)
  • 小さなゴムべら
  • シリコン塗布紙シート(クッキングシート)
  • トレー
以上のものは大体が100円ショップでも揃えられる。



チョコを刻む


粒が大きすぎると加熱して溶かすのに時間がかかる。なるべく細かく包丁で刻み、カップに入れる。

tenpering
この時使用したのは明治リッチシリーズの「バナナ」
なので色が黄色い。



電子レンジにかける


電子レンジ(700w)で最初1分、次20秒、次10秒と加熱していき、1/3溶けたら取り出す。これでももう、溶かすには十分だ。

tempering
加熱を重ねてもまだまだのように見えるが、
ゴムべらで混ぜると、とたんに溶け始めるので
最初のうちは早め早めに切り上げて混ぜるのが確実だ。

そしてすぐに、ゴムべらでかき混ぜる。板チョコ一枚は量が少ないので、溶けきらない時は5秒刻みで加熱して、粒が残っている状態で加熱をやめて余熱で全部溶かすようにするのがポイントだ。最初のうちは粒が微妙に残っている状態でやめた方が、溶けた部分で作業していけばよいから確実かもしれない。

ちなみにホワイトチョコは普通のチョコより低い温度にしないとテンパリングできないので
早めに加熱は切り上げた方がいい。

全部混ざってもかき混ぜ続けて、ゴムべらの抵抗が最初より重くなったらテンパリングは終了である。トレーシングペーパーにチョコを少しつけて乾かしてみてもいいが、
ゴムべらにちょっとチョコをつけて、パタパタ振ってみるとすぐ乾く。ツヤっとして見えたらテンパリングは成功している可能性がとても高い。



コーティング等必要な作業をする


クッキーなどを用意し、チョコが固まらないうちに手早く作業する。この時はハートのビスケットを焼き、半分チョコがけにした。



板チョコ1/2量で縦3cmほどのビスケット18個をチョコがけすることができた。



途中で固まってきたら


チョコレートの量が少ないので、途中でチョコが固まってしまうことがある。しかし、その場合も電子レンジで溶かして同じ作業を繰り返すとテンパリングできる。

ふちの方から固まってくることが多い。
へらでこそぎ落として再度溶かす。



確認


チョコが乾くとクッキングシートからパカッとはがれる。







なぜ、そうなるのか?


なぜチョコレートに温度管理が必要かというと、その理由はチョコレートに含まれるカカオバターの結晶にある。
その結晶が溶けて元通りに固まる温度というのが決まっていて、その温度から外れると変な結晶になってしまい、変なチョコレートができる。
そんなチョコレートの性質を利用して、テンパリングをする方法には3つの方法がある。

  • 冷水法
  • ダブリール法
  • フレーク法
である。冷水法とダブリール法はチョコレートを完全に溶かして温度管理するが、フレーク法は一部固形のままのチョコレートを使う。

カカオバターの結晶はⅠ~Ⅵ型の6パターンあり、そのⅠ~Ⅳ型の中では元の綺麗なチョコレートの結晶(Ⅴ型)が一番強くて、変な結晶ができていてもきれいなチョコレートの結晶が混ざれば(種結晶)、それにつられて変な結晶が綺麗な結晶に変化するのだ。

それを利用して、いったんチョコレートを溶かしたらその中にきれいなままのチョコレートを加え、余熱で溶かしていくと、溶けたチョコレートの温度を奪いつつ最後には種結晶が残っていき、安定した状態になるのがフレーク法だ。


その性質を応用したのが今回の電子レンジで行うテンパリングと言える。



参考文献:科学でわかるお菓子の「なぜ?」―基本の生地と材料のQ&A231chapter7結晶性を利用して作るチョコレート
参考URL:callebaut:カレットを使ったテンパリング™
(2024追記:ページなくなりました。)


※もし電子レンジをかけすぎてチョコが高温になりすぎてしまったら、「Ⅵ型」という変なチョコレートの元ができてしまい、固まるときにⅤ型がⅥ型になってしまう。新たにチョコを加えて余熱で溶かすか、冷却してまた温度を上げる冷水法を行うと修正は可能である。



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