冷凍食品、ミニゼリー・・お弁当の保冷剤代わりに使用する際の注意点とは。
公開日: 2016年6月12日日曜日 ちょっとしたコツ
★新常識?保冷剤代わりに○○★
お弁当作りの注意点としては、一般に「素手で調理しない」「食材に注意する」などと並び、「高温多湿の環境にさらさない」「保冷剤を使用する」という温度管理に関する注意事項もよく挙げられている。
これに関連して、いつのころからかネット上では、「お弁当の保冷剤代わりに冷凍したミニゼリー」「お弁当の保冷剤代わりに冷凍食品を」という文言がよく並ぶようになった。果たしてどれほどの効果があるのだろうか?
目次
冷凍食品を保冷剤代わりにする場合
冷凍食品を保冷剤代わりにする、というのは味の素食品で出している自然解凍できる冷凍食品シリーズの影響が大きいと思われる。
そして宣伝文句に堂々と「保冷剤がわりに使えます」という一文を入れている。
カンタン便利だね!自然解凍/味の素冷凍食品
なるほど、これなら保冷剤がわりになりそうだ・・・と思うも、そのホームページをよく見るとフォントを小さくしてこう記載してある。
<自然解凍>シリーズの商品2個で30gの保冷剤と同じだけの冷やす能力があります (当社調べ)/味の素冷凍食品
商品二個で30g・・・どうもピンとこない。保冷剤について調べると、次のようなページに行き当たった。
保冷剤を販売している会社のHPである。そこには保冷剤効果の目安一覧表が分かりやすく記載してあった。
それによると、30g(50m/m×120m/m)で約 1時間半効果があるということである。
さらに、注意書きとしてこのように記載されている。
ただの弁当包みではだめということである。
保冷効果のあるもの(ハッポースチロール容器や保冷袋等)に入れ、外気気温が約20℃の場合の目安になります。
/ 保冷効果目安 保冷剤ショップ
そうすると、朝7時に完成した弁当を、食べる12時まで持たせるとして、5時間の保冷が必要となる。
30gで1時間半もつのだから、単純計算だと90gで4時間半持つことになるが、現実には違うらしい。
前述の表に戻って見てみると、200gで約5時間と表記してあった。冷凍食品数にして13個分である。それこそ現実的な数ではない。
つまり、この「商品2個で30gの保冷剤と同じだけの冷やす能力があります」という言葉の裏には、5時間持たせようと思ったら、別途必要量の保冷剤を足して保冷バックに入れて持ち運びしてくださいね、という意味が含まれているということなのだ。
ミニゼリーを保冷剤代わりにする場合
ミニゼリーもまた、保冷剤替わりに入れました、という話もよく聞く。ただ、画像としてお弁当箱に一つ隙間埋めのように入っていて、「これで安心」というような文が載っていたりするのも目にすることがある。これについてはどうだろう。
ミニゼリーは一つの重さは約13~16gといったところが一般的である。
これは冷凍食品を入れた時の数と変わらない。それに加え、冷凍ゼリーの場合は結露を予防しなくてはならないので、弁当に入れる際は直入れは避けて何かにくるむなどワンクッションをおくような配慮が望ましいと思われる。(冷凍食品の自然解凍シリーズは厳しい検査をパスしたものであるから、「凍ったまま盛り付けてください」などと記載があれば結露を心配する必要なない。参考ページ:一般家庭向け弁当用自然解凍調理冷凍食品等の製造・販売に係わる取扱要領)
目次に戻る
保冷剤代わりに何かを使用する場合の注意点
弁当の保冷剤替わりのアイデアはいろいろとあるが、そもそも保冷剤自体の正しい使い方は、
- どのくらいの時間保冷したいのか、それに見合った重量のものを使用する
- 保冷バックなどの、外気を通さない工夫を施したものと併用することで目的が果たせる(ケーキ屋さんや生鮮食品売り場でつけてくれる保冷剤は帰宅時間のみを考慮している(30~1時間以内)ので、そのまま食品の上などにつけてくれる)。
- 冷たい空気は下に流れるので、食材の上に置く
といった具合である。保冷剤自体を何かに替えたからと言ってその使い方が変化するわけではない。
ゼリーにしろ冷凍食品にしろ、弁当のちょっとしたおかずで保冷剤替わりにするには圧倒的に量が足りないので、それだけで補おうとしては保冷剤としての目的は果たせないと思われる。
ゼリーにしろ冷凍食品にしろ、弁当のちょっとしたおかずで保冷剤替わりにするには圧倒的に量が足りないので、それだけで補おうとしては保冷剤としての目的は果たせないと思われる。
目次に戻る
まとめ
冷凍食品やミニゼリーを保冷剤目的で使用するなら、5時間で200g必要である。それ以下の量なら、相当量の保冷剤を足して、保冷バックに弁当とともに入れ、持ち運びすると安心である。
※2016/06/25 追記
保冷剤の効果は冷凍のものが目的時間内まで冷凍状態であることも含まれているので、外気温など状況によって量を調節することが望ましい。