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日立の「真空チルド」とは?使ってみて分かった!利点と注意点。

公開日: 2024年10月7日月曜日 商品の感想


★真空保存!?冷蔵庫の新機能!★


2013年当時、冷蔵庫が壊れたうさどんは
買い替えを余儀なくされた。

久々に家電のコーナーで冷蔵庫をじっくり見ると、
真空ホゾンであったり、進化した半冷凍技術やら、
冷蔵庫なのに保温ができるやらの驚きの機能に仰天した。


「日立の真空チルドSL」購入

結局購入を決めたのは日立の真空チルド商品であった。
入れられるスペースが決まっていたため、あまり選択肢がなかったこともある。
当該商品はスリム型で右開き扉であった。




冷蔵庫購入の決め手となった機能

パーシャルであったり、保温機能がついていたりと、
店員からさまざまな機能の説明を受けたが、
一番の決め手は「真空チルド」であった。
もともと空気を抜いて真空できる容器を持っていたので、
イメージしやすかったのと、お弁当箱程度の容器でさえ
まずまずの密封性であったため非常に興味深かった。






真空チルドの便利な点

実際使ってみて、その期待は裏切らなかった。
便利な点を挙げてみよう。

  • スライスチーズを開封した後でも乾燥しない。
  • バターが黄色くならない。
  • シュレッドチーズにカビが生えない。(いつかは生える)
  • 温度調節がきく。(-1~+1度)
うさどんはお菓子作りやパン焼きが趣味であるので
バターの鮮度を長く保てるのがとくに嬉しい機能だった。




消費期限を過ぎた魚

しかし3年たったころ血の気の引いた事件がおきた。

基本的に生魚は買って2日以内に調理加工していたうさどんであったが
真空だから大丈夫だろうと思いたち、魚に酒を振ってチルドに放置し、
消費期限を二日過ぎた時点で加熱調理してその夜に食した。
しかし なんとなく不安だったため子供たちには量は控えめにした。
(今思えば意味のない行為である。)

魚の見た目は全く変化がなかったが、マカジキであったため
普通の魚よりも魚臭が気になった。

どうしても不安が拭いきれず、カジキについていろいろ調べたところ
ますます不安になった。
ヒスタミン中毒の第一位がカジキだったのである。
平成12年から平成20年までに都内で起こった事例では、カジキマグロが原因となった事例が最も多く、

魚を食べたら、じんましんが・・・ ~ヒスタミンによる食中毒~/東京都福祉保健局
しかも、冷蔵でも加工でも加熱調理してもヒスタミンができてしまえば
中毒になるという話であった。(参考:東京都福祉保健局HP、上記リンク)

更に絶望的な情報を得た。
真空チルドについて改めてネットで調べてみると、
このように記載されていた。

食材の試験写真および各種試験データは当社試験によるものです。食材の種類や鮮度等によって効果は異なります。賞味・消費期限を延ばす効果はなく、表記の保存期間を保証するものではありません。
特長:真空チルド/日立

賞味・消費期限を延ばす効果はなく?!だと・・??

うさどんは動悸息切れにおそわれ、ふるえあがり、不安な一夜を過ごした。




真空という言葉に関する誤解


結果的には健康被害はなかった。

しかしなぜ、魚の消費期限が切れても何とかなると思ったのか?
自分なりに原因を探ってみた。

  • 冷蔵庫購入から、確実に鮮度が保たれていたし、乳製品は封を切っても劣化しなかった。
  • 真空=酸素がないのであるから、食品が劣化することはない。
といった思い込みに心当たりがあった。

とはいえ、いくらなんでも真空チルドが完全な無酸素状態とまでは考えていなかった。
実際は入れておく食材は一つではないので、
当然何度か開け閉めするし、その都度酸素にはさらされる。

現実、封を切ったプロセスチーズに赤カビが発生した。

しかし、チーズは完全に2週間以上経過していたため
さすがに生魚はそこまでおいておくことはない。

そもそも真空がなんなのか分からなくなったので、調べてみると
意外なページに行きあたった。

真空ポンプ.com

である。ここは、真空ポンプを作っている会社の運営サイトだが、
まさに日立の真空チルドの真空ポンプを作っていたのだった。

そのサイトによると、真空とはこのようなものだそうだ。

真空技術の世界では、真空ポンプを利用し、空間から気体分子を吸い出すことで、人工的に作り出した低圧状態のことを「真空」ということにしているのです。
真空ポンプ.com

うーん、分かったような分からないような。

しかし自分のイメージする真空よりユルイ感じがした。
また、人工的に作るならジップロックで空気を抜いただけで十分真空と言えるらしい。

真空パック商品の真空は、やはり真空だったのだ。
(参考:真空の基礎知識第一章/真空ポンプ.com)




取扱説明書をあらためて読んでみる


真空チルドがどの程度の鮮度を保つのか調べ始めた中で、
真っ先に手を出したのは購入時に添付されていた取扱説明書だ。

しかし、書いているのはチルド室のお手入れ等だけであった。

真空チルドは賞味・消費期限を延ばす効果はない」という文言は一切ないのである。

これは、結構重要な一文であるように思うが、どうだろう。

しかも、ネットで検索をかけて、
日立のホームページの、チルドのページの、一番下の、注意書きのところに、
しかもフォントを小さくされてひっそりと書かれているだけである。

そんなところに書いたところで誰が読むのか。

また、偶然見つけたQ&Aにやっとまともに書いてあった。
そのページを見つけるのも容易ではない。(すでに何回か検索したが迷子になってしまった)

真空チルド/真空氷温を使うと、食品の保存期間は伸びますか?:日立お客様サポート

冷蔵庫を買って使おうという時に、
誰がわざわざ製造元のお客様サポートページをくまなく見るだろう。

とにかく真空チルドは賞味・消費期限を延ばす効果はないという文言は
取扱説明書には一切なかったことに間違いはない。
そしてその一文はネット上にひっそりと置かれているだけである。

だからと言ってヒタチが悪いわけではないのは分かっている。
しかも魚を食べてあたったわけでもない。

ただ、あれだけ鮮度を守ると言っているのだから
なんとなく消費期限多少切れても大丈夫だろうという消費者が出てくることは
安易に予想がつくだろう。
現にQ&Aのページも作ったのだからもっと注意喚起はしてもいいのではないか。

という点においては、注意表示の義務は果たしていてもそれは親切なやり方ではなかったという印象を受けた。



CMイメージに踊らされたのが原因か?


結果的に
この「真空チルドは賞味・消費期限を延ばす効果はない」という一文さえ
取扱説明書にデカデカと記載されてさえいれば
このように無駄にヤキモキせずに済んだ、という多少恨めしい気持ちはある。

しかし、よくよく思い起こしてみると
多少チルドに入れっぱなしでも大丈夫なのか?と思った原因には
CMの影響もあるように思う。

女優がスーパーで生ものを買いだめして
後日ラクラク調理、
「冷凍じゃないからラク~!」

これを見て、やっぱり買いだめして後で使っても大丈夫なのでは?という気が増した。

だが、後にこう言っていることを思い出した。

「にくいね、ミツビシ!」

ミツビシかよ!

三菱の冷蔵庫の性能を調べてみると、あれは「氷点下ストッカー」というものだ。
約-3℃~0℃2で保存、
肉は7日、魚は5日新鮮に保つと具体的に記載されている。
(参考URL:氷点下ストッカーD/三菱電機)
半冷凍機能というわけだ。

そういった記憶がごちゃまぜになって、
消費期限が切れても多少は大丈夫なんだろうという気持ちが生じた一因にはなった。





まとめ


真空チルドはチルドであって、冷凍よりは温度が高いのであるから
消費期限が切れるときは冷凍した方が安心である。
特に魚は、ヒスタミンに関しては見た目も味も変わらないのに食中毒の原因になるので注意が必要である。
(ヒスタミンが生成されると後で冷凍しても成分は分解されない)




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