X(旧ツイッター)でも更新情報配信中

自然解凍で大丈夫?自家製冷凍食品、弁当に入れる際の注意点とは。

公開日: 2024年10月7日月曜日 ちょっとしたコツ

★節約に時短に大人気の自家製冷凍食品、使用時の注意点とは?★


夕飯の余り物で、冷凍できそうなものは冷凍するということは、特に目新しくもない一般的な食品の保存方法である。

しかし、いつのころからか

お弁当のおかずのために意図的に冷凍し、それを当日そのまま持ち運ぶと便利であるという情報が流れ始めた。

ちなみにアラフォー主婦うさどんは冷凍品は必ず加熱せよと言われ育ってきた。ここで、自家製冷凍食品(おかず)の自然解凍について考えてみたい(弁当のおかずとして直接入れる場合)。



自家製冷凍食品に関する注意喚起


実はすでに、自家製冷凍食品に関する注意喚起は行われている。

市販の冷凍食品で自然解凍OKのものは厳しい衛生管理、温度管理のもとで製造されたものです。
自家製の冷凍おかずを保冷剤代わりに冷凍したまま入れることはおすすめできません。
食べもの暦 平成28年6月号 じゃがいも/お弁当づくりの衛生ポイント/東京都福祉保健局
しかも、「自然解凍でOK!お弁当用冷凍おかず」レシピを山のように輩出しているCOOK PADでさえ公式ページで注意喚起をしている。(なぜレシピ掲載しているのか矛盾は感じるが)
自家製の冷凍おかずは必ず一度レンジなどでしっかり再加熱して冷ましたものを入れましょう。
初夏から夏の時期に!気をつけたいお弁当作りの衛生ポイント 〜vol.2 おかず編〜/cookpad
自然解凍できるおかずのリクエストを、断った料理研究家もいる。(・・・部、中略表記、うさどん)
保健所に相談してみたところ、家庭で冷凍したものをそのままお弁当に詰めて自然解凍することは、好ましくないとのことでした。・・・

以上の理由で、リクエストにはお応えできないため、・・・

オーブントースターで作るお弁当おかず/初代レシピの女王 成澤文子のダイニング




自家製冷凍食品を自然解凍することの安全性に関する是非

自家製冷凍食品を弁当に入れて自然解凍は大丈夫か?という疑問については、ネットでちょっと検索すると普通に出てくる。

否定意見は加熱しないと細菌が繁殖して危険、というものが主だが、

肯定派は
  • 現実、毎回自家製食品を自然解凍で食べているが平気である

という意見があり、実際これだけ世間に知れ渡って、たくさん食べている人がいて、平気だというのだから平気なのかなという気もしてくる。


ちなみに市販の自然解凍可能な冷凍食品はものすごく厳しい細菌検査を重ねている。

試験時の温度設定、および試験時間
35℃定温に設定した保存装置を使用し、9 時間保存後(※)に細菌試験ならびに官能試験を実施する。(※)保存条件の根拠について
夏季の過酷な条件を考慮し保存温度は 35℃と設定した。保存時間については、利用
の実態として一般的な喫食時間は 6 時間あまりであるが、時間的余裕を十分に考慮
して保存時間を 9 時間と設定した。

/一般家庭向け弁当用自然解凍調理冷凍食品等の製造・販売に係わる取扱要領


35度で9時間放置しても合格、とは恐るべき冷凍食品技術である。



食中毒に関する誤解

では、実際食べて何ともないということについて考えてみたい。

実は単純に「腐ったもの」を食べても食中毒は起こらない。納豆がこれに当たる。


一般に腐敗した食品を食べても下痢、嘔吐など特定の症状はみられない。
これに対して、食中毒は食品衛生上問題となる特定の病原微生物が食品中で増殖、または毒素を生産し、それを食べた人にその微生物特有の症状をおこすもので、食品は外見上、著しい変化を伴わないことが多いので、臭いや見かけで判断することは難しい。
腐敗と発酵、腐敗と食中毒はどう違うのか?/財団法人 食品分析開発センター

そして、腐敗する原因の微生物の増殖より食中毒の原因菌の発生の方が進行が速いことが多々あるため、おいしいと思って食べて、のちに食中毒になることがある。

腸炎ビブリオは3時間後に食中毒発症菌数(10g食べたと仮定)の105/gに達しているが、この時点では魚の菌数は103/g、揮発性塩基窒素も5mg/100g程度でまだ十分可食の状態にあり、気づかずに食べてしまうことになる。腐敗と発酵、腐敗と食中毒はどう違うのか?/財団法人 食品分析開発センター


以上のことを考慮すると、見た目も普通だし匂いも異常ないが、食中毒警報が発令されている時期に持参した弁当で、保冷剤が完全に溶けて弁当がすっかり常温になっている、または生暖かいなどという場合は、食中毒リスクが非常に高まっている、ということになる。



自然解凍目的の自家製冷凍食品の注意点



しかし、自然解凍してお弁当にいれられる、自家製冷凍食品レシピが掲載されている料理本は本屋で沢山売られている。


それらを紹介したページを閲覧してみたが、このようなおかずを家庭で作るには、普通のフリージングとは違ったポイントがあるようだ。


ホントに朝ラクべんとう300―冷凍&冷蔵おかずを作りおきして! (主婦の友新実用BOOKS)


つくりおきおかずで朝つめるだけ!弁当 決定版 (別冊エッセ)


本のレビューなどを参考に、ポイントをまとめてみた。


レビュー評価は辛口なものも多いが、名前や資格を出して本を出す以上、試作と検証を繰り返し、これなら安全だと確信したうえで掲載されたレシピなのであるから、そこまでやってこそ弁当向け作り置きおかずの安全性が保たれるのだろう。


また、適正な冷凍状態か、弁当に入れる前に確認することにも気を配りたい。

自家製冷凍食品を冷凍庫から出した時、あまりに霜のつき方がひどいなどの場合、いったん溶けてまた冷凍された状態になっているなど、品質が良くないと思われるので自然解凍はあきらめた方がよさそうだ。

(フリージングについての詳しい記事はこちら→その冷凍大丈夫?ホームフリージングの注意点とは。





まとめ


弁当に自家製冷凍食品を自然解凍でそのまま入れて食べたい場合、

  • 信用のおけるレシピで作る。その際、アレンジは加えない
  • 冷凍庫から出したときに、霜が多いなど、状態がおかしいときは使用しない
  • 冷凍食品にだけ保冷効果を頼らず、保冷剤を適正量で追加使用する。

    (保冷剤に関する詳しい記事はこちら→冷凍食品、ミニゼリー・・お弁当の保冷剤代わりに使用する際の注意点とは。

  • 春・夏で弁当がすっかり常温に戻っていたら食中毒リスクがあることを理解する。
という点に注意した方がよい。





※ここをクリックするとタイトルとURLが
コピーされます※